花粉症の治療方法には色々なものがありますが
大きく分けると、薬物療法、手術療法
そして、減感作療法の3つとなります。
この3つの内、最も効果が高いとされているのが
減感作療法です。
薬物療法も手術療法も、すでに発症している
花粉症の症状を抑えるだけのものです。
それに対して減感作療法は
花粉症の発症そのものを抑えるものです。
花粉症を根本的に治せる治療方法は
この減感作療法しかないのです。
花粉症が発症するメカニズム
私たちの体内に花粉という異物が入ってくると
私たちの身体は、最初にそれを受け入れるか
拒絶するかを判断することになります。
受け入れる場合には花粉症にはなりません。
拒絶する場合は、身体は花粉に対して抗体を作ります。
そして、次に花粉が入ってきた時に
身体はそれを排除しようとします。
身体はヒスタミンを分泌し
くしゃみや鼻水などによって
花粉を身体の外へ出そうとします。
鼻づまりも花粉を体内に入れないように
するために起こる症状です。
つまり、花粉症の症状とは
花粉という外敵から自身を守ろうとする
身体の働きなのです。
減感作療法とは
減感作療法とは、あえて体内に花粉のエキスを投与することで
身体をそれに慣らしてしまおうとするものです。
言い換えるならば、花粉を外敵と判断しないような
身体に作り変えるということです。
一番最初に述べたように
花粉症は花粉を外敵と判断することから発症します。
逆に、花粉を外敵と判断しなくなれば
花粉症は発症しなくなります。
つまり、花粉症は治ります。
注射による減感作療法
これまでの一般的な減感作療法では
注射によって花粉エキスを体内に注入します。
もちろん、注射をしたからといって
すぐに花粉症が治るわけではありません。
実際には、週1~2回の通院を
2年以上は続けなければなりません。
体質が改善されるまでには
そのくらいの時間がかかるものなのです。
この注射による減感作療法を続けるのには
かなりの根気が必要となります。
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舌下減感作療法
舌下減感作療法は、従来の減感作療法の
・通院が週に何回も必要なこと
・注射をしなくてはならないこと
この2点を改善した新しい療法です。
舌下減感作療法では注射をする代わりに
スギ花粉のエキスを舌下から体内に吸収させます。
その方法は簡単で、目薬のように花粉エキスを
舌下に数滴垂らすだけです。
どうして舌下からなのかというと
舌下から吸収されたエキスは、あごの下の左右にある
リンパ節に届きやすいからです。
リンパ節には免疫機能があり
アレルギー反応と深い関わりがあるのです。
この療法のメリットは自宅でも出来ることです。
最初の3週間は毎日投与を続けますが
その後は週に1~2回の投与にします。
さらに、2~3週間に1回の投与と
徐々に投与の間隔を空けながら2年間続けます。
その間の通院は月に1回程度でOKです。
基本的には2年間続けますが
人によっては最初の3週間あたりで
効果が出始める場合もあります。
結語
この舌下減感作療法は、およそ80%の人に
その治療効果が出ているそうです。
ただ、現在の舌下減感作療法で治療できるのは
スギ花粉症だけです。
また、スギ花粉症以外に他のアレルギーも併発している人は
この治療を受けることが出来ない場合もあります。
しかし、いずれは他のアレルギーでも
この舌下免疫療法で治療できるようになると思われます。