河内晩柑(かわちばんかん)は、熊本県発祥のちょっと珍しいみかんです。
見た目がグレープフルーツによく似ているので、「和製グレープフルーツ」などとも呼ばれています。
実はこの河内晩柑は、品種改良によって作られたものではなく、自然に発生した品種です。
最初に発見されたのが熊本県熊本市河内町であったため、遅い時期に収穫されるみかんの総称である「晩柑」と組み合わせて「河内晩柑」と命名されました。
現在、河内晩柑は愛媛県の愛南地域や熊本県の天草地域など、ごくわずかの地域でしか生産されていません。
そのため生産量が少なく貴重なみかんとなっています。
河内晩柑の特徴
河内晩柑は、大正時代に熊本県熊本市河内町のある民家の庭で発見されました。
その起源はあまりはっきりとしていませんが、文旦(ブンタン)の血を引く品種であるというのが現在の定説となっています。
その見た目はグレープフルーツによく似ていますが、グレープフルーツのような苦味はなく、酸味も強くありません。
滑らかで黄色い果皮の中にジューシーで柔らかな果肉があり、上品な甘酸っぱさとさわやかな香りを楽しめます。
その果実には、小玉のものから大玉のものまで色々な大きさのものがあります。
河内晩柑の味は収穫時期によって変わる?
河内晩柑は、季節の変化とともにその味も少しずつ変わっていきます。
河内晩柑の収穫時期は3月下旬から9月頃までですが、それぞれの時期によってそれぞれの味わいがあります。
一番糖度や酸味が強く果汁も多いのは、3月下旬から5月中旬にかけて収穫されたものです。
この時期の河内晩柑は、その濃厚な味が楽しめます。
その後は徐々に糖度や酸味が下がっていき、果汁も減って実が引き締まっていきます。
そのため、夏の時期の河内晩柑は非常にあっさりとして食べやすくなります。
夏の河内晩柑は春のものに比べて糖度が下がるため、「あまり美味しくないのでは?」と思われるかもしれませんが、同時に酸味も下がっていくために食べやすくなるわけです。
つまり、糖度と酸味のバランスが丁度良くなるという感じですね。
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河内晩柑はネット通販で購入するのがお得!
河内晩柑の販売期間は、大体3月下旬から9月頃までです。
楽天市場やヤフーショッピングなどのネット通販サイトでは、熊本県産や愛媛県産の河内晩柑が購入できます。
そして、訳あり品も多く販売されています。
訳あり品といっても、要するに表面にキズや日焼け、シミなどがあるだけです。
ちょっと見た目は悪いですが、中身は美味しいです。
当然、通常品よりも値段が安いので、自宅で食べるのであればお得だと思います。
河内晩柑のジュースやピールなども販売されていますので、興味のある方は試してみてはいかが?
河内晩柑のむき方・食べ方
河内晩柑の表皮は手でむくこともできますが、やや厚めですのでナイフなどで切り込みを入れた方がむきやすいかも知れません。
薄皮も少し厚めですので、そのまま食べるよりは薄皮をむいて中身だけ食べた方が良いでしょう。
ただ、河内晩柑は果汁が多いので、そのまま食べる場合はけっこう手がベタつきます。
ですから、グレープフルーツを食べる時のように半分にカットしてスプーンを使ったり、オレンジのようにスマイルカットにしても良いでしょう。
また、河内晩柑はマーマレードにしても非常に美味しく食べられます。
河内晩柑の生産地と様々な名称
河内晩柑は5月に開花してから次の年の夏まで非常に長い間実をつけているみかんです。
そのため栽培するには冬を越す必要があります。
したがって、河内晩柑を栽培するには、一年を通じて気温が下がりにくく霜の降りない暖かい地域でなければなりません。
河内晩柑の生産地が少ないのはこうした理由です。
河内晩柑は熊本県が発祥地ですが、現在では愛媛県の生産量の方が多いです。
特に、愛媛県愛南町の生産量は日本一であり、全国の約50%ほどを占めています。
河内晩柑は地域によって様々な名称で呼ばれています。
愛媛県産の河内晩柑には
- 美生柑(みしょうかん)
- 宇和ゴールド
- 灘オレンジ
- 愛南ゴールド
など複数の名称があります。
また、熊本県では「ジューシーフルーツ」、鹿児島県では「サウスオレンジ」という名称で呼ばれることもあります。